チーム世界選手権自戦記⑦
5月4日(土)
朝からキャプテンとしての体調不良確認や起床確認をする余裕もなく、朝食も一人で食べるなどガチガチに緊張していました。
8Rカナダ戦は福井さん、藤田さんが休みのオーダー。私のわがままオーダーのため、福井さんの休みラウンドが1,8,9と偏ってしまうのは申し訳なく思いました。カナダチームは中国代表で出場したことのメンバーもいて中国4と言えるようなチームでした。
私の相手は三将殷立成さん。その見た目から何人かは(笑福亭)鶴瓶さんというあだ名で呼んでいました(笑)。ちなみに私は笑福亭鶴瓶さんと同じ誕生日です。相手が強いことは理解していながら勝てる可能性が一番高いのはこのラウンドと背水の陣の気持ちでした。
今大会のデータを調べたところ、相手は2は必ず直接、3を間接なら斜月というデータだったので1Rのリベンジで斜月狙いでした。データ上は5手目くらいまでコントロールできる予定でしたが、ここまで追い込まれていると急に変えてくるかもしれないと疑心暗鬼になっていました。
2を間接に打つとデータ通り斜月を打ってきたので、1Rと同じ4を打ち5も打てました。ちゃんと必勝の黒を選択してくれたので6と打ちました。7で敗着と研究済みの手が来たので数分確認したのち、研究済みの8を打ちました。9~15までで形が決まり追い詰めを読む展開になりました。100%勝ちとは思いつつも並べていなかった形だと思ったので真剣に読みました。10分くらいで読み切りましたが、それが間違っていないかを検討するのに2倍から3倍の時間を要しました(時間は体感時間)。17逆なら禁手、19逆なら四、三と取り返して勝ちと読んで打ち始めました。20まで打つと相手が負けを認め握手をしてきました。勝ちの確信はありつつも手は震えながら、手汗を拭いながら終盤は打っていました。こちらの緊張が伝わったのか、「おめでとう」という感じの良い笑顔に感じました。
この勝利により2006年に北京で勝って以来の18年ぶりの海外勝利で、(不戦勝を除くと)連敗を10で止めることができました。
チームとしても初の4勝で完勝。連戦の疲れがあったとは思いますが、カナダが0-4で負けるのも今大会唯一だったようです(中国の3チームにも完封はされていない)。
午後の最終9Rは韓国戦。オーダーは三将に藤田、四将に丸田というオーダーでした。藤田さんはこれですべての席に代打するを達成しました。私も目指しましたが副将席だけ座れませんでした。
前戦やっと勝てたことで緊張はかなり和らぎました。韓国は5名でのチームなのでチャンさんかキムさんか読めていませんでした。
席に着いて待っているとチャンさんから変更がなかったようでした。しかしキムさんが来て、どうやらオーダー変更を提出していたが運営が変更を忘れていたようでした。
韓国人は浦月だろうと誘導したかったのか2を間接に打つと浦月を打ってきました。珠王戦最終局でも使った何か勝率の良い4を使ったところ、即スワップではなかったので10箇所打つことを考えてる?と思ったら5と打ってきました。仕掛けておきながら大体どこでも黒必勝という研究だったので黒を取りました。6は流石に予想通り。守備も意識しようと7と打ちましたが、15に打つ方が強かったようです。10まで打たれるとなるほど白が良さそうだと思いました。7、9を使った三が唯一の攻めだったので、読み切ってはいないが攻めてしまおうと思いました。ここまで全敗ならもっと固く守りに行くか攻めるにしてももっと時間を要したことと思います。13が中止めかどうかは読めていませんでしたが外止めでした(調べたら中止めの方が簡単でした)。16まで打たれて改めて読み始めましたが、右下部で攻めるには乗り手が邪魔で苦労していました。長考しているうちに目線を変えてみると最初三々で打てなかったところが打てるようになっており左上に進出できると気付きました。ここで読み切り勝つことができました。
最後の最後ででしたが、2連勝で締めることができて最高の結果となりました。
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