チーム世界選手権自戦記③

4月30日(火)

 過去には選手が寝坊した事例もあったので、対局者の起床確認と体調不良はないかと確認を行いました。体調を最優先とし厳しい状況があれば直前でもオーダーを変えるというつもりでいました。幸い問題なく、昨日決めたオーダーのままで行くことにしました。

↑意識の高さを目標としたメッセージボード。ホワイトボードはこの後もいろいろな用途に使うも激励メッセージのようなものはこのラウンドのみでした。

 キャプテンの朝のお仕事はオーダー変更を提出するところから。開会式も当日朝にあることから人が多く運営本部がわからず、拙い英語でいろいろな人に聞き込みをしていました。バスで一緒だったマカオチームを見つけ相談すると一緒に聞いてくれました。1ラウンドで当たるライバルではありますが優しく対応してくれるところ非常に感謝です。

 開会式が終わりいよいよ対局開始。私の相手は小中学生くらいの羅振軒くん。対局前にお互いのお土産を交換しました。対局開始前に名前を棋譜に書きました。「羅」の中国語での漢字が日本と若干異なるので苦労して書いていたところ、「貸して」とジェスチャーされて名前部分を書いてくれました。その後は日本語と同じ漢字なので「私も漢字を使う国だからその後は書けるんだよなぁ」と思いながら感謝の意を伝えました。

棋譜

 対局が開始し、実戦ではまだ7回目のタラグチ10なので慎重に進めました。相手の仮先にスワップすると間接打ち、さらにスワップすると斜月の提示でした。昨日リサーチしたのとは違う珠型に戸惑いつつも4と打ちました。そうしたら予想通りスワップでしたので5を打ちました。しばらくして相手は白を選ぶ意思表示をしましたが時計を押しました。「白を選んだんですよね?」というような確認をしつつ、審判を呼び、英語とジェスチャーで「相手の手番なのにこちら時計が動いている、押し返して良いか?」と確認して同意が取れたようだったので時計を押しました。強引な対応を取るなら「6手目をパスで良いんですね?」と進めることもできるのかもしれませんが、子供相手だったので大人の対応を取りました(笑)。その後6が打たれましたが、私の思う正解ではありませんでした。何かあるだろうと読み切るつもりで7手目を考え始めました。30分くらい長考をしていると、隣の宮本さんが勝ちまでもう少しのように見えましたので、それを見届けてから次の手を打とうかなと思いました。宮本さんが国際棋戦初勝利となり、こちらは7手目の最終確認作業に入りました。そして、すべてのパターンを考えた大丈夫という自信のもとで7と打ちましたが四伸びを考えておらず禁手負けとなりました。時間を費やしての敗着、必勝のチャンスを間違えたことは明白だったので悔しく、体感時間的には3分くらいしてから投了しました。7は画像の禁手の位置に飛び三と打つのが正解でした。検討はしていましたが、乗り手で勝てないように錯覚していました。

 2006年の北京大会でも勝てそうな相手(スウェーデン人)に6手目でミス、2016年のソーソロフ戦は仕方ないにしろ、緊張や環境への不慣れなのか開幕戦はミスしがちです。

 初の国際大会出場である宮本さん、田中さんに初戦から勝ちが出たのでチームとしては最高の滑り出しとなりました。

 午後は日本A戦。トリッキーなプレイが持ち味なので日本戦は出る必要ないと思っていてチームメンバーの同意も得られたので2ラウンドは大将席に藤田さんというオーダーにしました。対局中の話がないためサラッと流しますが、福井さんが一矢報いて勝利となりました。

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